Googleディスプレイ広告やデマンドジェネレーションキャンペーンでリマーケティングを行う際、「最適化されたターゲティング(Optimized Targeting)」をオンにするかどうか、悩ましいポイントですよね。
Google側は「コンバージョンが増える」と推奨していますが、実際にはCPA(コンバージョン単価)が2倍以上に膨らむケースも見受けられます。

この記事では、リマーケティング配信における「最適化されたターゲティング」のメリット・デメリットと、効果的な運用方法について詳しく解説します。
「最適化されたターゲティング」とは?
まずは用語の整理から。
最適化されたターゲティング(Optimized Targeting)とは、指定したオーディエンスに加えて、Googleの機械学習が「コンバージョンしやすい」と判断したユーザー層にも広告を自動で拡張して配信する機能です。
「最適化されたターゲティングを使用すると、指定の予算内でコンバージョンを増やすことができます。指定したオーディエンスを超えるユーザーにアプローチする場合があります。」
「最適化されたターゲティングを使用したことで、広告のコンバージョンが平均 20% 増加しました。」
Googleの公式説明(一部抜粋)
たしかに、見込み顧客の獲得が目的のキャンペーンでは有効に機能する場合もあります。
リマーケティングにおける落とし穴
ただし、リマーケティング配信においては注意が必要です。
リマーケティングとは、過去に自社サイトに訪問したユーザー(見込み度が高いユーザー)に絞って広告を表示する施策です。
ところが「最適化されたターゲティング」をオンにすると、この限定された高品質なオーディエンスの枠を超えて、見込み度の低いユーザーにまで広告が広がってしまいます。
実際に起こりうる問題
- 配信が広がりすぎてCPA(コンバージョン単価)が急上昇
- リマーケティングの本来の効果が薄れる
- 配信レポートの中で「拡張オーディエンス」からの成果が不明確になる
実践的な配信の判断基準
では、実際の運用ではどのように判断すれば良いのでしょうか?
結論から言えば、以下のように使い分けることを推奨します。
リマーケティングリストが潤沢にある場合
確度の高いリマーケティングリストが潤沢にある場合は「最適化されたターゲティング」をオフにします。
最適化されたターゲティングをオンにすれば見込みのありそうなオーディエンスへ配信を広げてくれますが、そもそも、既存顧客を再度サイトに接触させてこそのリマーケティングです。確度の高いオーディエンスを確保できていれば、不必要に配信先を広げる必要は無いと考えます。
リマーケティングリストが少ない/配信が制限される場合
リマーケティングリストが少なすぎると配信自体ができなかったり、1日に配信できる広告量が極端に少なくなってしまいます。
このような場合は一時的に「最適化されたターゲティング」をオンにして配信を広げることで見込みの高そうなオーディエンスへ配信し、リマーケティングリストの母数を増やすことができます。
「最適化されたターゲティング」をオンにした場合の評価方法
Google広告の管理画面では、「最適化されたターゲティング」からのパフォーマンスを個別に確認することができます。
「最適化されたターゲティング」をオンにして配信開始してから30~60日後に、[オーディエンス > 拡張最適化されたターゲティング]のレポートを確認し評価を行いましょう。
確認方法は以下のとおりです。
- キャンペーンを選択
- 「オーディエンス」セクションへ移動
- 「拡張と最適化されたターゲティング」項目を確認
- 「コンバージョン数」「CPA」「CTR」などの数値を比較
不必要に「最適化されたターゲティング」をオンにし続ける必要はありません。「拡張と最適化されたターゲティング」のCPAが高い場合は「最適化されたターゲティング」をオフにしましょう。
まとめ:目的に応じて「オン・オフ」を使い分けよう
「最適化されたターゲティング」は、Google広告の進化した機能のひとつですが、使いどころを間違えると成果が落ちるリスクもあるツールです。
リマーケティングでは、
- リストが充実している → オフ
- リストが少ない → 一時的にオン + レポートチェック
という使い分けをすることで、ムダな広告費を抑えつつ、効果的な配信が可能になります。



無駄なコストをかけず、リマーケティングの本来のポテンシャルを最大化するためにも、「最適化されたターゲティング」の設定は慎重に見極めていきましょう。