Googleディスプレイ広告で「目標コンバージョン単価(tCPA)」を使っていると、クリックは発生しているのに広告費がまったくかかっていないという、ちょっと不思議な現象に出くわすことがあります。
「クリックされてるのに無料って、ラッキーなのでは?」と思った方、実は仕様を理解していないと後から思わぬ落とし穴にハマることもあるので注意が必要です。
この記事では、そんなディスプレイ広告特有の動きについて、支払い対象の設定という視点から解説していきます。
なぜクリックされているのに費用がかからないのか?
原因はシンプルです。
広告費の支払い対象が「コンバージョン」になっているからです。
Googleディスプレイ広告で「目標コンバージョン単価(tCPA)」を選ぶと、デフォルトで**費用の支払い対象が「コンバージョン」**に設定されるケースがあります。
つまり、クリックされたとしてもコンバージョン(CV)につながらなければ広告費は発生しません。
Google公式ヘルプ:ディスプレイ キャンペーンの入札戦略
「クリック課金」にしたいなら「インタラクション」に変更を
もし「クリックされるごとに広告費を払いたい(クリック単価制にしたい)」という場合は、以下のように設定を変更する必要があります。
変更手順
1. キャンペーン設定を開く
2. 入札戦略にて「目標コンバージョン単価」を選択
3. 「支払い対象」の項目を「インタラクション」に変更
この「インタラクション」とは、ユーザーが広告をクリックしたなどの行動を意味します。設定後は、クリックのたびに費用が発生するようになります。
支払い対象「コンバージョン」の費用の発生の仕方
支払い対象が「コンバージョン」の場合、どのような形で費用が発生するのでしょうか?例を使って見ていきましょう。
例:日予算1,000円、月予算30,000円とした場合
- 目標コンバージョン単価を1,000円に設定したとします。
- この場合、コンバージョンが30件発生するまでは配信され続ける。
- 30件に達した時点で、月の予算30,000円が使い切られたとみなされて配信停止になります。
つまり、コンバージョン単価ベースで費用が引き落とされる形です。
目標コンバージョン単価を低くすれば無料で広告が配信できる?
じゃあ、tCPAを極端に低く設定すればずっと無料で広告配信できるの?
そんなうまい話はありません。
目標コンバージョン単価を非現実的なほど低く設定すると、そもそも広告が配信されなくなります。
理由は単純で、Googleのシステムが「その単価では成果が取れない」と判断するためです。広告オークションにも参加できなくなり、インプレッションすら出なくなります。
この設定はディスプレイ広告特有の仕様
ここでポイントとなるのは、この支払い対象「コンバージョン」の設定が使えるのは、Googleディスプレイ広告限定の仕様だということ。
検索広告などでは基本的に「クリック課金」が一般的であり、同じtCPA戦略を使っていても支払い対象の仕様が異なることがあります。
まとめ:クリックが発生しているのに広告費が発生していないときのチェックリスト
- キャンペーンの入札戦略が「目標コンバージョン単価」になっているか?
- 支払い対象が「コンバージョン」になっていないか?
- 「インタラクション」に変更する必要はないか?
- 目標コンバージョン単価が現実的な金額か?
広告が配信されていない、費用がかかっていないと感じたときは、まず支払い対象の設定を確認しましょう。
おわりに
Googleディスプレイ広告は柔軟で多機能な反面、ちょっとした設定の違いで配信結果や費用に大きな差が出ることがあります。特にtCPA戦略と支払い対象の関係は初心者がつまずきやすいポイントのひとつ。
意図通りの課金形態にしたい場合は、今回ご紹介したポイントをしっかり押さえておくようにしましょう!
公式の詳細情報はこちら
▶︎ ディスプレイ キャンペーンの入札戦略(Google広告ヘルプ)