Meta広告(旧Facebook広告)を米国向けに配信している方の一部に、広告マネージャーの画面上で以下のようなアラートが表示されているケースがあります。
あなたはFacebookの潜在リーチの推定値に関する訴訟の原告団の一員である可能性があります。
裁判所からの通知
詳細:https://facebookpotentialreachlawsuit.com/
この通知は一見すると不安に感じるかもしれませんが、落ち着いて状況を把握し、必要な対応を取ることが重要です。この記事では、この訴訟の背景と、広告主が取るべき対応について解説します。
裁判所からの通知の概要
表示されている通知は、Meta(Facebook)に対して米国で起こされた集団訴訟(クラスアクション)に関連したものです。
訴訟の中心は、「潜在リーチ(Potential Reach)の推定値が誤解を招くものであった」という広告主側の主張にあります。
この訴訟では、Facebookが広告配信時に提示していた「潜在リーチ数」が実際よりも大きく表示されていた可能性があるとされ、これにより広告の成果を誤認した広告主に対して損害が生じた、という点が争点となっています。
対象となる広告主
以下の条件を満たす場合、この訴訟の「原告団」の一員に該当する可能性があります。
2014年8月15日から2023年12月31日までの間に米国でFacebookプラットフォーム上の広告を購入した広告主
通知が表示されているアカウントは、Meta側で自動的に条件に該当する可能性があると判断されているものと考えられます。
潜在リーチとは何か?
そもそも潜在リーチとは、広告キャンペーンの設定に基づいて、広告が到達可能と推定されるユーザー数のことを指します。
広告作成時に表示される「推定リーチ数」は、ターゲティング条件や予算、掲載期間などをもとに算出されますが、訴訟ではこの数値が不正確あるいは過大であり、広告効果を誤認させた可能性があるとされています。
現時点で必要な対応は?
では、広告主や運用者は今何か対応する必要があるのでしょうか?以下にまとめます。
1. 慌てて行動する必要はないが、通知内容は確認する
この通知は「裁判所からの情報提供」であり、詐欺やハッキングではありません。
通知のURL(facebookpotentialreachlawsuit.com)は、正式な訴訟情報を提供する専用ページです。
ここでは、訴訟の進行状況や、もし賠償金の分配などが発生する場合に備えた手続きについて案内されます。
2. 裁判所の通知を読んで、自分が対象かどうか確認する
上記のURLから、「Notice(通知)」セクションを開き、自分のアカウントがどのように関与しているのか、また今後どのような選択肢があるのかを確認しましょう。
3. 必要に応じてクレーム(請求)を提出する
この訴訟において広告主が損害を被ったと認められる場合、賠償金を受け取るための「クレームフォーム」が提供される可能性があります。
現時点(2025年5月時点)では、まだ判決は出ておらず、請求受付も開始していないようですが、今後の更新に注視してください。
今後のスケジュール
以下は現時点で公開されている訴訟のスケジュールです(公式サイトより抜粋)
- 異議申し立て期限:2025年6月14日
- 裁判所による最終承認審理:2025年7月30日予定
最終的な和解や賠償の詳細は、この審理の結果に左右されるため、今後も定期的に公式サイトをチェックすることをおすすめします。
まとめ
Meta広告の管理画面に表示されている「裁判所からの通知」は、Facebookの潜在リーチ表示に関する集団訴訟への関与に関するお知らせです。
対象期間中に米国向け広告を出稿していた場合、通知が表示されることがありますが、現時点で緊急に対応する必要はなく、今後の情報に注視することが重要です。