【問題解決手法】第2回 イシューをサブイシューに分解して結論を導く

会議

前回、本当に解決しなければならない問題、「イシュー」の見つけ方について説明しました。

今回はイシューの結論を導くために必要な

イシューを分解してサブイシューを作り、ストーリーを描いて結論まで持っていく

この方法について解説していきます。

目次

イシューを分解してサブイシューを作る

考える人

イシューの結論を出すには大きなイシューを解けるサイズまで分解することが必要です。

分解したイシューをサブイシューと呼びます

イシューを分解後、サブイシューそれぞれに仮説を立てて分析し、分解したすべてのイシューを使ってストーリ立てを行い、結論を導いていきます。

イシューを分解することで、課題の全体像を把握でき、サブイシューの優先順位もつけられるようになります。

まずはイシューをどのように分解するか説明します

MECEで分解する

データを分解する際に「モレなくダブりなく」分解することをMECEと呼びます。

例えば、

男性と女性

これはモレもなくダブりもないためMECEで分解できています。

小学生と大学生

これは小学生と大学生以外の人がモレているのでMECEではないです。

従業員とパートタイマー

これはダブりとモレがあるのでMECEではないです。

スポーツする人、スポーツしない人、サッカー好き

これはモレはないですが、ダブりがあるのでMECEではないです。

MECEは要素を分解して分析するにあたって役に立つ手法で、イシューを分解する際にも役立つ手法です。

ただ、MECEで切り分ける際には注意が必要です。

例えば、「売上」を分解しようとしたときに以下のパターンで切り分けることができます

  • 「個数×単価」
  • 「市場×シェア」
  • 「ユーザー数×ユーザーあたりの売上」
  • 「首都圏売上+関西売上+その他地域売上」

どれもモレなくダブりなく切り分けられていますが、分析の切り口が異なるため、分析した結論にかなりの差が出ます。

このように、最初の切り分けの段階で分析の方向性が決まるため、切り分け方を間違えると、その後の分析がすべて誤った方向に進んでしまう恐れがあります。

MECEでイシューを分解する際には切り分け方が正しいか慎重に考える必要があります。

Where・What・Howで分解

イシューをMECEで分解する以外に「Where・What・How」で分解する方法もあります。

  • Where (どのような領域を狙うべきか)
  • What (具体的にどのような勝ちパターンを築くべきか)
  • How (具体的な取り組みをどのように実践していくか)

イシューを「Where・What・How」で切り分けて分解し、分解したものをサブイシューとして扱います。

逆算で分解する

新規事業などこれまで実績がない課題の場合は完成形から逆算すると良いです。

例えば、「電子決済システムの製品化」を成果物とする場合、

  • いつ誰がどのように使うことを想定しているのか、既にある決済方法と比べどの点で優れているのか
  • システム利用者にどのようなコストが発生するのか
  • システムの構築方法はどうするのか
  • ネーミング、ブランディングはどうするか

このように分解でき、それぞれをサブイシューとして扱うことができます。

フレームワークを使う

フレームワークは型に沿ってイシューを分解できるので、パターン化している課題に対しては有効です。

代表的なフレームワークには3C分析があります。

3C分析はビジネスを顧客、自社、競合に分解して考える手法です。

前述したようにフレームワークは便利ではありますが、強引にフレームワークに当てはめて分解をしようとすると、せっかく考えた仮説を使えなくしてしまう場合があるので注意が必要です。

サブイシューに仮説を立てる

イシューをサブイシューに分解できたら、必ず各サブイシューに仮説を立てるようにします。

仮説を立てなければサブイシューの分析が曖昧になってしまい、結局「やってみないとわかりません」という回答が生まれてしまいます。

そうならないようにサブイシュー単位で出来るだけ細かく、根拠に基づく仮説を立てることが必要になります。

ストーリーを作る

プレゼンをする人

サブイシューそれぞれに仮説を立て、答えを出すことができれば、イシューに対する結論が見えてきます。後は整理して、結論に至るまでのストーリーを人に伝えられるように整理します。

なぜストーリーが必要か

イシューやサブイシューの結論だけを人に伝えても

…だから何?

なんでその結論になったの?

と、結論に納得してもらえなかったり説得力に欠けたりします。

論文でもプレゼンでも聴衆に納得してもらうため、必ず仮説に基づくストーリーを作ります。

ストーリーが作れるということは問題提起から結論まで筋が通った分析ができているということであり、ストーリーまで作ることができて初めてイシューに結論が出せたと言えます。

逆にストーリーを立ててみて、詰まるところがあれば何かがズレていたり矛盾しているはずです。

自分自身が全体を把握するためにもストーリー立ては必要です。

基本的なストーリーの流れ

典型的なストーリーの流れは次のとおりです。

STEP
必要な問題意識、前提となる知識の共有
STEP
イシューとサブイシューを明確にする
STEP
各サブイシューについての分析結果
STEP
サブイシューを統合して得られる結論

ストーリーの役割

ストーリーは仮説から結論を出す際に作ります。そこから実際の検証に入っていきますが、ストーリーは検証を行う際のサポートとして使います。

検証を進めていくと仮説とは異なる事象が現れるかもしれません。

そんな時はストーリーの方を軌道修正します。

ここの仮説が誤っていたということは、結論はどう変わっていくか。

そういったことを考えることにストーリーが役立ちます。

ストーリーの型

いきなりストーリーを作れと言われても難しいと感じることがあるかもしれません。

そんな時はフレームワークのように、ストーリー作りによくある型を使います。

例えば次のようなものです。

空・雨・傘

家から傘を持っていく際に行う判断を参考にした手法です。

例えば、「雨に濡れないようにする」ことをイシューだとすると、

STEP
空(課題の認識)

空が曇っているから雨が降りそうな気がする。傘を持っていくべきか。

STEP
雨(課題の深掘り)

天気予報を見ると昼から雨が降るようだ

STEP
傘(結論)

濡れないように傘を持って行こう。

私たちは日常からこのようにイシューを解決しています。

ここでカギになるのは空の状況を把握してから、雨が降りそうか、どのように対応するべきかを深掘りできるかです。

まとめ

今回はイシューを分解してサブイシューをつくり、さらにストーリーにして結論まで導く方法をお伝えしました。

今回のポイントをまとめると次のとおりです。

  • イシューを分析出来るレベルまで分解し、サブイシューとする
  • 各サブイシューに仮説を立て、サブイシューの結論を出す
  • サブイシューの結論を踏まえてストーリーを作り、イシューの結論を導く
  • 検証中に仮説が誤っていたとことが確認できたら、ストーリーを編集し、仮説が異なったことで結論がどう変わってくるか把握する

みなさんの課題解決にこの記事が役に立てば幸いです。

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この記事を書いた人

Web制作会社に所属するウェブマーケター
Web広告、Webサイトのアクセス解析、SEOコンサルが主な業務。
数千ページのコンテンツを有する大企業から中小企業まで様々なクライアントのウェブマーケティング支援を担当している。
クラウドソーシングサイト「ランサーズ」で認定ランサーとしても活動中。

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