課題を解決する時に大切な考え方として、「イシューを捉える」というものがあります。
イシューを見極められなければ、目の前にある課題の本質に気づくことが出来ません。
結果、時間だけを使って問題を解決できず、努力が徒労に終わってしまうことになってしまうかもしれません…!
イシューを見極められれば、目の前の課題の本質に気づくことができ、最短かつ確実に課題を解決することができます。
この記事ではイシューとは何か、イシューの見極め方、イシューを見つけるコツなどを書いています。
イシューについて一緒に学んでいきましょう。
イシュー(issue)とは何か
イシューが何かを理解するため、まず、良い仕事とは何かについて考えます。良い仕事と聞いて思い浮かべるのは次のようなものかもしれません
- 質の高い仕事
- 丁寧で細やかな仕事
- 高度な技術が必要な仕事
これらも大切かもしれませんが、優先度や重要度を欠いては良い仕事とは言えないでしょう。
イシューを捉えた良い仕事とは
今が対応しなければいけない問題やその後の選択肢に影響を与える問題を見極め、高い解像度でこなすこと。
これになります。
この解決しなければ問題のことを「イシュー」と呼びます。
「解像度」とはイシューついてどこまで答えを出せているかです。
抽象的でわかりにくいかもしれませんが、要はやらなくてもいい仕事にいくら情熱を注いでも無駄なので、本当に解決するべき問題を見極めて取り組みましょうということです。
勉強を例にすると、
参考書の内容を丸写しして勉強した気になるようなことはやめて、学んだ知識を現場で役立てる。
こういったことが勉強することのイシューと言えます。
自分の前に100個の課題があったとします。これら100個を全てこなす必要はありません。
無駄に労力を注ぎ込むことになります。
本当にイシューを見極めると本当にやらなければいけない仕事が見えてきて、実は仕事は3個だけだったなんてこともあります。
イシューを見つける方法
無数に存在する問題の中にイシューが隠れています。このセクションではイシューを見つけるための方法を説明します。
仕事を始める前に設計する
仕事に着手する前に立ち止まって考えることをしましょう。
一番良くないのはとりあえず手を動かして解決方法を手探りで探すことです。
理想的な仕事の進め方は仕事に取り掛かる前にイシューを見極めることです。
解決方法がわからない課題に直面した時、動き出す前に何を解決しなければならないのか明らかにし、さらにその問題を細分化します。
そして問題を解決するための設計図を作ってから、設計図の通りに仕事を進めるのです。
先に設計をしておけば後は手を動かすだけです。
設定するのに時間がかかりますが、作っておくのと作らずに取り組むのでは進む早さが雲泥の差です。
イシューを見極めるための相談相手を探す
漠然とイシューを考えていてもなかなかうまく見つけられないかもしれません。
自分が全く未経験の分野であれば尚更です。
そんな時は業界に精通している同僚やお客さんに意見を求めてみると良いです。
イシューのあたりをつけるのに助けになるはずです。
答えを出す必要のある問題か
イシューのように見えても今答えを出す必要のないもの、出すべきではないものはスルーしましょう。
仮説を立てる
仮説を立てると問題が具体化されるので、イシューを見極めるのに役立ちます。
例えば、
「ホームページからコンバージョンが減っている」
という問いに対して
- ホームページの日別アクセス数が落ちているのは商品発売から日が経ったからかもしれない
- ホームページからのコンバージョンが少なくなった原因は競合が現れたからかもしれない
- 商品の在庫確保がちゃんとできてないかもしれない
このように仮説を立て、それらを明らかにしていくことで問題が何か当たりをつけることができます。
問題を言語化する
これが問題かなと思ったら言語化することが必要です。
図や絵はイメージを掴むのには良いですが、チームで認識を共有することには向いていません。
何が問題が口に出すことで自分の中に落とし込み、かつチームで共有することが大切です。
どちかを選ばないといけない場合の考え方
イシューを見極める際、AかBのどちらかに決めなければいけない状況が出てきたら、AとBを比べて
「AよりむしろB」
というように優劣をつけるようにします。そうすると何が問題かより明確になります。
良いイシューの3つの条件
良いイシューには以下の3つの条件を付けましょう。
本質的な問題であること
この先の検討事項に大きく影響を与える問題をイシューとして扱います。
深い仮説を出せる
前述したように、問題について仮説で考えた時に説得力のある仮説や新しい着眼点、斬新な仮説など複数の深い仮説があることが好ましいです。
答えを出せる
きっちりと答えを出せる問題をイシューとして扱います。答えを出せない問題は検討するだけ時間の無駄になることが多いからです。
イシューを見つけるための材料集め
イシューを見つける、仮説を立てるためには考えるための材料を集める必要があります。
材料集めのコツは以下のとおりです。
一次情報に触れる
実際に現場に出て、一次情報に触れると実態を掴むことが容易にできます。
製造業・生産
実際に作業に参加させてもらう。
販売業
顧客の生の声を聞く。
製品開発
実際に製品が使われている現場に出向いて顧客と対話する。
研究
その分野で研究をしている他の研究者の話を聞きに行く。
データ
加工前の生データを自分の手法で分析してみる。
答えは顧客だけが持っているとも言われるように、まずは一次情報を収集し、自分たちの方向性が間違っていないか判断しましょう。
業界の基本情報を把握する
市場調査にも似た意味合いです。まずは業界において自分や顧客がどの位置にいるか把握しましょう。
- 競合の様相
- 目立っている新規参入者
- 代替品の有無
- 顧客の様相
- 開発、製造の様相リスト
など競合のみならず、自身の上下についても確認します。
情報を集めすぎない、知りすぎない
情報を集めすぎたり知りすぎると返って動けなくなってしまいます。
集めすぎ
集め始めの頃は良いが、ある程度集めると情報の頭打ちがあり、知恵が出にくくなってしまいます。
知りすぎ
知れば知るほど、あれはダメこれはダメと、自分ならではの知恵をアウトプットしにくくなってしまいます。
知りすぎることは返って可能性を潰してしまうことになります。
イシューが見つからない時の対応
イシューを見つけられない時のコツは以下のとおりです。
変数を切り分ける
例えば何かの値が異常値を示している場合、複数の要素が絡んでいると原因の特定や相関関係の把握が難しくなるかと思います。
そんな時は変数を切り分けてひとつずつ分析していくことで解決に近づくことができます。
図やグラフにする
経路図、フローチャート、分布図など、データを図やグラフにして見える化すると問題を分かりやすく把握でき、問題の発見につながる場合があります。
完成から逆算する
目指すべき状態から逆算して、どうあるべきかを考えて問題を抽出する方法もあります。
例えば業界トップクラスまで業績を持っていきたい場合、
- 現在の市場はどうか
- 自社の事業の状況はどうか
- 自社なりの勝ちパターンはどうなるか
などを考え、それらをさらに深掘りしていくとイシューに辿り着くことができます。
なぜなぜを繰り返す
大きな問題を1つ取り上げ、それがなぜかを繰り返し問う手法です。
これをなぜなぜ分析と呼び、トヨタ自動車は何か改善する時はなぜなぜを5回繰り返すとのことです。
例えば地球温暖化を例に挙げてみます。
なぜそう言える?
なぜそう言える?
なぜそれがいけないのか?
このようになぜなぜを繰り返すことで、どこがクリティカルな問題(イシュー)かを抽出することができます。
極端な例で考える
変数が複数ある場合は何が原因で現在の状況を引き起こしているかわかりにくい事がある。そんな時は各変数を極端な値に振って見るとそれが重要なことか見えてきます。
- 市場規模が10倍になったら、または10分の1になったらどうか。
- シェアが5倍になったら、もしくは5分の1になったらどうか。
など極端に考えて、現状がどのように動くか考えてみます。
まとめ
ここまでイシューとは何かについて説明してきました。まとめると以下のとおりです。
- イシューとは「今が対応しなければいけない問題やその後の選択肢に影響を与える問題」のこと
- イシューには「本質的な問題」「深い仮説を立てられる」「答えを出せる問題」であることが必要です
- 図やグラフにする、なぜなぜを繰り返すなどするとイシューを見つけやすい
みなさんの課題解決の助けになれば幸いです。
最後まで読んでいただいてありがとうございました!
参考文献:イシューからはじめよ
著者:安宅和人
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