Webマーケティングの仕事の一つ
「Webサイトの分析、アクセス解析」
分析には色々な着眼点やポイントがありますが、
具体的に何をどう見たらいいかわからない
他の着眼点は無いか
と困ってしまうこともあるかと思います。
今回、大企業から中小企業まで様々なサイトを分析する中で身につけたWebサイトのアクセス解析の具体的な着眼点やポイントついてまとめてみました。
なお、アクセス解析に使うツールはGA4(Googleアナリティクス4)とGoogleサーチコンソールです。
参考にしていただければ幸いです。
ユーザーの参照元の分析
まず、ユーザーがどこから来たのか(参照元、流入元)についてのポイントをお伝えします。
デフォルトチャネルの確認
デフォルトチャネルというディメンションを見れば、ユーザーが以下のどこからサイトに訪問したのかがわかります。
デフォルト チャネル(GA4版) | 意味 |
Organic Search | 検索サイトからの流入 |
Referrer | 外部サイトからの流入 |
Direct | URLを直接入力しての流入 |
Organic Social | SNSからの流入 |
Organic Video | Youtubeなどからの流入 |
Paid Search | ウェブ広告からの流入 |
Display | ディスプレイ広告からの流入 |
Unassigned | 上記以外からの流入、不明な流入元 |
これを見て、Organic Searchが多ければ検索サイトからの流入が多い、Referrerが多ければ外部サイトからの流入が多い、どのような経路でユーザーがサイトを訪問しているのか把握することができます。
何かのキャンペーンや広告を配信する際、メルマガを送る際ですが、URLにパラメータを付け忘れるとDirectにカウントされてしまうので注意しましょう。
流入における割合の変化
デフォルトチャネルや参照元/メディアを確認する際、前の期間と比較しましょう。
短期的な施策を行った場合は月単位での比較、長期的な施策やウェブサイトの改修を行った場合は年単位で比較します。
前の期間と比較して参照元の情報に変化があれば施策が効いたか、何らかのイベント(例えば外部サイトでの特集など)があったことがわかります。
参照元/メディアの分析
参照元となった外部サイトがどこになっているか判れば、次はその参照元がどのようなウェブサイトか確認します。見るところは以下のとおり
- 外部サイトが公的なものか民間のものか
- どこに自身のウェブサイトへのリンクが貼ってあるか
- 直近で自身のウェブサイトの特集などがされていたか
これらの情報を収集することで、どのような外部サイトから関心を持たれているか、どのような施策が外部に良い影響を与えたかなど分析できます。
スパム、botを識別する
特定の参照元/メディアからの流入が急に増加した場合は、それがスパムによるものの可能性があるため注意が必要です。
ボットは自動的かつ機械的にページを巡回することが多いため、特定の参照元に以下のような動きが見られた際にはボットの可能性があります。
- 訪問したどのページでも平均滞在時間が均一
- 訪問したどのページでも直帰率が均一
- 訪問したどのページでも平均ページビュー数が均一
- 直帰率が100%
このような機械的な訪問についてはスパム・botを疑いましょう。
データを集計するときはスパム・botを除外するフィルタやセグメントをかける必要があります。
ただし、セグメントの追加はサンプリングが入りやすいので、あまりにサンプリングの影響でデータが変化するようであれば、セグメントをかけずに分析する方法を考える必要があります。
広告パラメータが不明、付け忘れたとき
URLに広告パラメータをつけ忘れてしまった、他社が管理していてわからないときは、広告配信前から全体の訪問数を参照元別に見ます。一気に訪問数が増加している参照元があれば、それが広告からの流入である可能性があります。
ユーザー属性について
どのようなユーザーが訪問しているかもチェックしましょう。
年齢と性別
男女のどちらが多くウェブサイトを訪問しているか、何歳ぐらいのユーザーが多いかを把握しましょう。ただし、年齢性別の情報を取得するにはGAなどの解析ツール側でユーザーシグナルの有効化を設定する必要があります。
また、前提にはなりますが、解析ツールを使う場合はホームページのプライバシーポリシーに追記が必要です。
しっかりと記載しておきましょう。
デバイスについて
ユーザーが使用するデバイスについて情報を収集します。
- PCからの閲覧はビジネスユーザーが多い
- スマホは一般ユーザーが多い
上記であることが多い印象です。
自分のホームページの種類(B2Bか B2Cか)などを考えて、狙ったユーザーが来てそうか考えて見ましょう。
ユーザーが多い曜日
曜日で見ても面白いことがわかります。
平日に訪問が多く、休日に少ない場合はビジネスユーザーが仕事中にホームページを訪問していることが多いです。
レジャー系のウェブサイトだと休日も訪問数が多い傾向にあります。
広告を配信する際に配信する曜日の選択、曜日ごとの予算調整などの参考にもなります。
参照元の地域(国)
海外向けのウェブサイトを運営されている場合、どの国からのアクセスが多いかを確認します。
見慣れない国からの訪問数の増加があった場合は、その国の公用語を調べてみましょう。
公用語に英語、繁体字、簡体字などがあれば、米国や中国に住んでいなくても、その言語のページへ訪問している可能性があります。
また、全世界を対象に多言語対応で作られているウェブサイトの場合、国ごとへの最適化がされにくく検索上位に上がりにくい場合があります。
例えば日本語で書かれたウェブサイトであれば、日本国内で検索した場合に上位にあがりますが、海外で検索した場合には上位に上がりにくくなる可能性があります。
ユーザーが住んでいる地域によって検索結果に差が出るということです。
サイト内回遊について
ウェブサイト内でのユーザーの動きにも着目しましょう。特にウェブサイトの改修を行った直後には注意が必要です。
ユーザーの回遊経路の変化
基本的に、ページの上部に設置されている要素ほどクリックされやすい傾向があります。
逆の場合も然りです。
例えば、ページの改修を行いページ上部にあったバナーを下部に移動すると、そのバナーはクリックされにくくなります。
UAだとナビゲーションサマリー、GA4だと経路別データ探索を使って、ページ改修前後でユーザーのサイト内回遊の比較を行いましょう。
ユーザーに来て欲しいページへ上手く誘導することが大切です。
下層ページまでユーザーを誘導できているか
集客ページ、トップページにユーザーを集めた後、収益がとれる下層ページへユーザーを誘導できているか確認しましょう。
バナーの位置や文言などを工夫してユーザーを下層ページへ誘導しましょう。
直帰率、エンゲージメント率の確認
基本的に一枚ペラで解決するLPやブログ記事などは、そのページを見てもらうことで目的を達成するため直帰率は高く、エンゲージメント率も高くなる傾向があります。
しかし、集客用ページの場合は、目的のページまでユーザーを誘導する必要があるため、エンゲージメント率が高く、直帰率は低いページにする必要があります。
集客用ページでエンゲージメント率が低く直帰率が高い場合は以下をチェックします。
内部リンク(バナーなど)の位置が適切か
ページの最下部などに設置しているとクリックされにくいです。
ユーザーを誘導する文章になっているか
ユーザーを誘導できる文章、嫌悪感を抱かせない表現になっているかを確認します。
内部リンクの表現がわかりやすくなっているか
ボタン要素のテキスト内容がリンク先とマッチしているかを見ます。また、このボタンをクリックするとどうなるか、分かりやすいテキストにします。
ページの読み込み速度が遅く無いか
ページの読み込みが遅いとユーザーが離脱しやすくなります。SEO的にも減点対象なので、読み込み速度はできるだけ改善します。
いずれにせよユーザーに興味を持たれないページはエンゲージメント率が低くなります。
自分がユーザーになった気持ちでページを改善しましょう。
サイト流入に変動があった場合の着眼点
急激にページビューの増減が起こることがあります。そのような場合にどのようなことが考えられるでしょうか。
ここでは一例を紹介します。
1日だけ急激にアクセスが集まったとき
テレビ番組でそのページの事柄について紹介された可能性があります。
ページのコンテンツと急増した日を合わせて検索すると、テレビ番組のアーカイブがヒットして原因が特定できる場合があります。
検索でわからなかった場合はTwitterの詳細検索を使うと関連するツイートが見つかったりします。
1日、2日間だけアクセスが急増し、検索サイトとダイレクトの流入が増えた
Googleディスカバーに記事が掲載された場合、1日〜2日間の短期間に訪問が集中する傾向があります。
流入元を見るとOrganic SerchとDirectからの流入が激増する傾向があります。
このような特徴的な増加の仕方の場合、Googleディスカバーからの流入かもしれません。
なお、Googleディスカバーに記事を載せることを狙う場合は権威のあるサイトに発リンクをするとディスカバーに載りやすくなるというデータもあります。
長期間に渡って検索サイトからの流入が増加
長期的に検索サイトからの流入が増加するケースは分析が難しいです。
ユーザーがなぜ検索を頻繁にするようになったか考えなければいけません。
- マス広告を売ったことで広告を見たユーザーが検索した
- Googleからのサイトの評価が向上し、検索に引っかかるようになった
- 検索需要が増加したことで流入が増加した
- 世の中の動きに合わせて流入が増えてないか
など、様々な原因が考えられます。
Googleトレンドを使うと原因を見つける手掛かりになる場合があります。
キーワードについて
Google Search Console(Googleサーチコンソール)を使ってユーザーがどのようなキーワードで検索を行い、ページを訪問したかを調べましょう。
狙っていないキーワードでの流入が多い場合、検索した意図とページの内容が異なることとなるため、訪問したユーザーが離脱(直帰)してしまう可能性が高くなります。
狙ったキーワードでページのリンクがクリックされているか確認し、想定していないキーワードで流入していた場合はページの内容を修正することをオススメします。
さいごに
今回はウェブサイト分析の視点について書いてみました。
もうすでにわかっていることも多いかと思いますが、ひとつでも読者様の参考になれば幸いです。
私もよりウェブサイト分析に精進し、新たな視点を見つけたら、ここに追記していきます。
今後ともどうぞよろしくお願いします!
参考サイト
この記事の信頼性
この記事はウェブ制作会社のマーケティング部門でウェブ解析やウェブ広告運用を行っている筆者が日頃の業務の中で得た知見をもとに執筆しています。
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